ファンデーションでも目立つほうれい線にアプローチできるのがヒアルロン酸注入です。料金相場は¥30,000〜¥150,000、効果持続は6〜18か月とされています。
「ファンデーションでほうれい線がかえって目立つ」「鏡で見る印象が急に老けて感じた」。実際にカウンセリングの現場でも頻出するご相談です。整理しておきたいのが、ほうれい線ヒアルロン酸注入です。溝の下からボリュームを補充して、ほうれい線を物理的に目立たなくする即効性のある施術とされています。一方で、まれに血管閉塞による皮膚壊死や視力障害が報告されており、症例数の多い医師選びが前提となります。
ほうれい線のヒアルロン酸注入は、溝の下からボリュームを補充してほうれい線を物理的に目立たなくする即効性のある注入治療です。注入量は片側0.5〜1cc・両側1〜2ccが目安とされています。料金相場は¥30,000〜¥150,000(製剤・量による)で、効果持続は6〜18か月と報告されています。所要時間は10〜20分、ダウンタイムも数日程度です。一方で、まれに血管閉塞による皮膚壊死や視力障害が報告されており、症例数の多い医師選びが前提となります。
出典:ClinicJapan編集部調べ(2026年4月)/参考:厚生労働省「美容医療の適切な実施に関する検討会」資料・日本美容外科学会(JSAPS)公開資料・国内外の臨床文献ほうれい線は、小鼻の横(鼻翼)から口角に向かって斜めに走る溝のことを言います。厳密には「シワ」ではなく、頬と口周りの境界線が加齢によって深くなったものです。ほうれい線が目立つ原因は大きく3つあります。①頬の脂肪が下垂して溝が深くなる(たるみ)、②骨の萎縮によりボリュームが失われる、③真皮のコラーゲン・エラスチン減少で皮膚のハリが低下する——この3つが複合的に進行することで、年齢とともにほうれい線は深く刻まれていくわけです。
ヒアルロン酸は、もともと体内の皮膚・関節・眼球などに存在する保湿成分で、約2〜6リットルの水分を1gで保持できるとされるほど保水力に優れています(文献により値に幅があります)。体内のヒアルロン酸量は20歳をピークに加齢とともに徐々に減少していくとされており、これが肌のハリ低下や乾燥、ほうれい線の深まりにつながります。美容医療で使用するヒアルロン酸製剤は、この天然成分を架橋技術で安定化させたジェル状の注入材で、皮膚の内側からボリュームを補い、ほうれい線の溝を持ち上げてくれます。
ヒアルロン酸注入が「ほうれい線治療で選ばれることの多い選択肢」とされる理由は明確です。①即効性がある(注入直後から効果を実感)、②ダウンタイムが短い(当日メイク可能)、③万一の場合にヒアルロニダーゼ(溶解酵素)で分解できる可逆性、④価格が手頃(¥30,000〜)。これらの理由で美容注入のはじめの選択肢として広く実施されています。ただし、ほうれい線周辺は顔面動脈が走行する重要部位であり、血管閉塞による皮膚壊死・視力障害といった重篤な合併症のリスクがゼロではない点を理解した上で、緊急対応体制の整ったクリニックを選ぶことが大切です。
ヒアルロン酸製剤は種類が多く、それぞれ硬さ・持続期間・用途が異なります。ほうれい線に使われる代表的な製剤を比較していきます。
| 製剤名 | メーカー | 特徴 | 持続期間 | 硬さ | 厚労省承認 |
|---|---|---|---|---|---|
| ジュビダームビスタ® ボルベラXC | アラガン(米) | VYCROSS®技術。なめらかで膨潤しにくいです。浅〜中程度のほうれい線に最適 | 12〜18ヶ月 | やや柔 | あり |
| ジュビダームビスタ® ボリフトXC | アラガン(米) | VYCROSS®技術。中程度のシワ・ほうれい線に幅広く対応 | 12〜18ヶ月 | 中 | あり |
| ジュビダームビスタ® ボリューマXC | アラガン(米) | 深い溝・ボリュームロスの補填に。リフト効果あり | 18〜24ヶ月 | 硬め | あり |
| レスチレン® リド | ガルデルマ(スウェーデン) | NASHA™技術。ナチュラルな仕上がり。中程度のほうれい線に | 6〜12ヶ月 | 中 | あり |
| クレヴィエル® コントア | エオンメディカル(韓国) | 高濃度HA。鼻・あごの輪郭形成に強いものの、ほうれい線にも使用される | 12〜15ヶ月 | 硬い | なし |
ほうれい線の治療には、ジュビダームビスタ®シリーズがもっとも広く使われています。世界的に導入実績が豊富で、日本国内でも厚生労働省から美容用ヒアルロン酸として承認を受けている製剤のひとつです。特にボルベラXCとボリフトXCがほうれい線に適しており、なめらかな注入感と自然な仕上がりが特徴です。アラガン社独自のVYCROSS®技術によって、従来製品より吸収されにくく、膨潤(水を吸って膨らむこと)しにくいため、形状を長期間キープしやすいとされています。
製剤選びのポイントは「ほうれい線の深さ」です。浅いほうれい線にはボルベラXC(柔らかめ)、中程度にはボリフトXC、深い溝にはボリューマXC(硬め+リフト効果)と使い分けるのが一般的です。医師がカウンセリングで溝の深さを診察し、最適な製剤を提案してくれます。
承認製剤と未承認製剤の違い
厚生労働省の承認を受けた製剤(ジュビダームビスタ®、レスチレン®)は、日本国内での安全性と有効性が公的に確認されています。日本国内未承認の製剤の中には韓国MFDS等の海外規制当局の承認を受けた正規品もありますが、一部の未承認製剤では品質基準が不明確なものや偽造品が含まれるリスクがゼロではありません。カウンセリングで「どの製剤を使いますか?厚労省承認品ですか?」と必ずご確認ください。安全性ガイドでも詳しく解説しています。
ほうれい線の注入量は、溝の深さ・長さ・左右差・希望する仕上がりによって変わってきます。以下は一般的な目安となります。
| ほうれい線の状態 | 片側の注入量 | 両側合計 | 費用感 |
|---|---|---|---|
| 浅い(20〜30代前半) | 0.3〜0.5cc | 0.6〜1cc | ¥30,000〜¥60,000 |
| 中程度(30代後半〜40代) | 0.5〜0.8cc | 1〜1.5cc | ¥50,000〜¥100,000 |
| 深い(50代以降) | 0.8〜1cc | 1.5〜2cc | ¥80,000〜¥150,000 |
初回は控えめに注入し、2週間後の定着を確認してから追加するアプローチがおすすめです。一度に大量を入れると、注入直後は腫れで膨らんで見え、腫れが引いたあとに「思ったより入っていなかった」「入れすぎで不自然」というギャップが生じやすくなります。「少なめに入れて、2週間後に微調整」が自然な仕上がりへの近道と言えます。
なお、ほうれい線だけに注入するのではなく、頬骨の上にも注入して頬全体を持ち上げる「ヒアルロン酸リフト」というアプローチもあります。たるみが原因でほうれい線が目立っている場合、ほうれい線の溝を直接埋めるだけでは本質的な改善が得にくく、頬の土台にボリュームを足して引き上げることで、より自然で長持ちする改善が期待できます。この場合は追加で頬に1〜2ccが必要になりますので、合計2〜4ccになることも。費用は上がりますが、仕上がりの満足度は高い傾向にあります。
料金表示について
以下に記載する料金はすべて税込の相場目安です。実際の料金はクリニックによって異なり、オプション費用(麻酔代・診察料・アフターフォロー費)が別途発生する場合があります。契約前に必ず総額を確認してください。効果には個人差があります。
ヒアルロン酸注入の料金は、製剤の種類と使用量で決まります。「1cc(シリンジ1本)あたりの単価 × 使用本数」が基本的な計算式になります。下表の「1ccあたりの料金」は両側合計で1cc使用した場合の総額に該当します。
| 製剤 | 1ccあたりの料金(税込・両側合計1cc使用) | 両側合計2cc使用時 | 両側合計3cc使用時 |
|---|---|---|---|
| ジュビダームビスタ® ボルベラ/ボリフト | ¥50,000〜¥80,000 | ¥100,000〜¥160,000 | ¥150,000〜¥240,000 |
| ジュビダームビスタ® ボリューマ | ¥60,000〜¥90,000 | ¥120,000〜¥180,000 | ¥180,000〜¥270,000 |
| レスチレン® リド | ¥40,000〜¥65,000 | ¥80,000〜¥130,000 | ¥120,000〜¥195,000 |
| その他韓国製HA | ¥15,000〜¥40,000 | ¥30,000〜¥80,000 | ¥45,000〜¥120,000 |
大手クリニックでは「ほうれい線両側¥34,800〜」というパッケージ料金を設定しているところもあります。ただし、これは安価な製剤や少量(0.5cc程度)の場合が多く、厚労省承認品で十分な量を注入する場合は¥80,000〜¥150,000が現実的な予算です。「安さ」だけで選ぶと、①未承認製剤の使用、②注入量が少なすぎて効果不十分、③追加注入で結局高額になる、というパターンに陥りやすくなりますので注意が必要です。
年間のランニングコストとしては、12ヶ月ごとの追加注入で¥80,000〜¥150,000/年が目安となります。糸リフトの料金(¥100,000〜¥600,000/1〜2年)やハイフ(¥30,000〜¥300,000/3〜12ヶ月)と比較しても、コスト面でバランスの取れた治療と言えます。支払い方法については支払い方法ガイドも併せて確認しておくとよいでしょう。
トータル40〜60分程度でクリニックを出られますので、ランチタイムに受けて午後から仕事に戻られる方もいらっしゃいます。カウンセリングガイドで事前準備を確認しておくとスムーズです。
| 症状 | 期間 | 対処法 |
|---|---|---|
| 注射部位の赤み・腫れ | 数時間〜2日 | 冷却(冷やしすぎない)。メイクでカバー可能 |
| 内出血 | 1〜2週間(出た場合) | コンシーラーでカバー。血液をサラサラにする薬・サプリは事前休薬 |
| 注入部位の硬さ・しこり感 | 数日〜2週間 | ヒアルロン酸が馴染むまで待ちます。自己マッサージは避けてください |
| 左右差 | 腫れが引けば改善 | 2週間後に左右差が残れば追加注入で微調整 |
内出血を最小限にする対策
施術前1週間は、アスピリン・イブプロフェンなどの血液をサラサラにする薬やサプリメント(魚油・ビタミンE・イチョウ葉エキス等)を休薬してください(処方薬は医師に確認のうえで)。また、飲酒は前日から控えるのがベスト。施術にカニューレ(鈍針)を使用する医師を選ぶと、内出血リスクがさらに下がります。
ヒアルロン酸注入は手軽な反面、ほうれい線付近は重要な血管が通る危険ゾーンであることを知っておく必要があります。
| リスク | 頻度 | 内容 | 対策 |
|---|---|---|---|
| 血管閉塞(最重要) | きわめてまれ | 血管にヒアルロン酸が入り血流遮断→皮膚壊死・失明の可能性 | 吸引テスト実施。カニューレ使用。ヒアルロニダーゼ常備クリニックを選ぶ |
| 内出血 | 時々 | 針が血管に当たり皮下出血 | 薬・サプリの休薬。カニューレ使用 |
| しこり・凹凸 | 時々 | ヒアルロン酸の偏り、注入量過多 | 少量ずつ注入。2週間後に追加調整 |
| 不自然な膨らみ | 注入過多時 | 注入しすぎで頬がパンパンに見える | 控えめな初回注入。信頼できる医師選び |
| チンダル現象(青み) | 浅い注入時 | 皮膚の浅い層に注入すると青みが透ける | 適切な深度への注入。起きたらヒアルロニダーゼで対応 |
| アレルギー反応 | 非常にまれ | 製剤の添加物に対する反応。腫れ・かゆみ | 事前のアレルギー歴確認。厚労省承認品の使用 |
血管閉塞リスクを押さえる
ほうれい線の鼻翼基部(小鼻の横)には顔面動脈が走行しており、ここに誤ってヒアルロン酸が注入されると血管が詰まり、皮膚壊死や失明につながるリスクがあります。発生頻度はきわめて低いものの、一度起きると重大な後遺症を残す可能性がありますので、以下の3点を必ずご確認ください。①医師が吸引テスト(aspiration test)を行うか(吸引テストは陰性でも血管内注入を完全に否定できないという限界も近年指摘されていますが、実施するクリニックは血管閉塞リスクを意識している証と評価できます)、②カニューレ(鈍針)を使用するか(鈍針は血管を貫通しにくい)、③ヒアルロニダーゼ(溶解酵素)がクリニックに常備されているか(血管閉塞の緊急対応に必須)。これらをクリアしているクリニックでの施術が望ましいです。
効果には個人差があります
本記事で紹介する効果・持続期間・料金は、公開資料および医学情報に基づく一般的な目安です。実際の効果の出方・持続期間・適切な施術回数は、肌質・たるみの程度・生活習慣によって大きく変わります。期待できる効果については、必ず医師のカウンセリングで個別に確認してください。
| 治療法 | 効果 | 持続 | ダウンタイム | 費用 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヒアルロン酸注入 | 溝を内側から補填 | 6〜18ヶ月 | 数日 | ¥30K〜¥150K | 手軽にほうれい線を改善したい方 |
| 脂肪注入 | 自己脂肪でボリューム補填 | 半永久(定着分) | 1〜2週間 | ¥200K〜¥500K | 長期的効果を求め、脂肪採取に抵抗がない方 |
| グロースファクター注射 | コラーゲン生成促進 | 個人差大(エビデンスは限定的) | 数日〜1週間 | ¥100K〜¥200K | 肌質改善も兼ねたい方 |
| ハイフ(HIFU) | たるみ引き締め | 3〜12ヶ月 | ほぼなし | ¥30K〜¥300K | たるみが主因のほうれい線 |
| 糸リフト | 物理的引き上げ | 1〜2年 | 1〜2週間 | ¥100K〜¥600K | 中等度のたるみ+ほうれい線 |
| フェイスリフト | 大幅なリフトアップ | 5〜10年 | 2〜4週間 | ¥800K〜¥3M | 重度のたるみ+ほうれい線 |
ほうれい線の原因が「ボリュームロス(くぼみ)」ならヒアルロン酸が有力な選択肢になります。「たるみ(皮膚の下垂)」が主因ならハイフや糸リフトのほうが効果的です。実際にはボリュームロスとたるみが複合的に起きているケースが多いため、ヒアルロン酸+ハイフやヒアルロン酸+糸リフトの組み合わせがもっとも満足度が高いとされています。エラボトックスでフェイスラインをシャープにし、ヒアルロン酸でほうれい線を改善する「複数施術の組み合わせプラン」も人気です。
ヒアルロン酸は体内で徐々に吸収される(分解される)ため、効果を維持するには定期的な追加注入が必要になります。「打ち続けると顔が大きくなるのでは?」というご不安の声をよく耳にしますが、適切な量と頻度であれば問題ありません。
注意すべきは「短期間の大量注入」です。前回のヒアルロン酸が完全に吸収される前に大量に追加すると、ヒアルロン酸が蓄積して不自然な膨らみやしこりの原因になってしまいます。推奨される追加注入のタイミングは、効果が薄れてきたと感じた頃(6〜12ヶ月後)です。前回の残量を考慮して、少なめの量で微調整するのがベストです。医師に「前回の残りがどれくらいあるか」を診てもらい、必要な分だけ追加するアプローチが、自然な仕上がりを長期間維持するコツと言えます。
もし注入結果に満足できなかった場合は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)で注入したヒアルロン酸を溶解できます。この「やり直しが効く」可逆性がヒアルロン酸の大きなメリットです。ただし溶解すると元に戻るだけでなく、もともと体内にあったヒアルロン酸まで一部分解される可能性がありますので、使用は慎重に判断する必要があります。
クリニックの選び方で基本的なチェックポイントを確認し、東京エリアや大阪エリアの情報もお役立ていただけます。
初めてのヒアルロン酸注入で後悔しないために
①初回は控えめな量で。「もう少し欲しい」と思うくらいが自然です。②施術後2週間は定着待ち。直後の腫れで判断しないでください。③Before/After写真を撮っておくと、効果を客観的に確認できます。④信頼できる1人の医師に継続して見てもらいましょう。医師が変わると注入の一貫性が保ちにくくなります。脂肪が原因の場合は顎下脂肪吸引ガイド|顔の脂肪吸引が効果的です。
本記事は上記の学術文献に基づいて作成しており、医療情報の正確性を担保するため、すべて PubMed(米国国立医学図書館 NLM 運営の学術論文データベース)収載論文を出典としています。